今さら聞けない基礎知識&小ネタ集~スタジオレッスンの盛り上げ方編~
プロのフィットネストレーナーなら、たくさんの専門知識と経験で、お客様の信頼にお応えしたいもの。でも広くて深いフィットネス業界、意外と知らないことも多いのでは?そこで、「からだプロ」編集部が、現場で役立つ基礎知識をあれこれと伝授しちゃいます。
さあ、あなたもレッツトレーニング!
今回は、会員さんを盛り上げるために必要な「スタジオレッスンの盛り上げ方」についてご紹介します!
スタジオレッスンを盛り上げるのは、頭では理解していても実行するのは難しい。
エアロビクスのレッスンなど、フィットネストレーナーが会員さんを積極的に盛り上げていかなければならないケースも多くあります。
しかし、頭の中で理解はしていても、実際に実行出来ているかというと、そうではないのが現実。
会員さんを盛り上げるために、一生懸命煽るようなセリフをはさんではいるものの、スタジオレッスンの始めから最後まで同じセリフを言っていたり、テンションが一定で抑揚がなかったり…一言で盛り上げるとは言っても、実行するのは簡単にはいかないようです。
今回は、スタジオレッスンで会員さんを盛り上げるためのコツをご紹介します!
盛りあげるためのコツ①
“自分だけのスクリプトを作る!”
フィットネスクラブでは、それぞれの店舗で独自に作成されたプログラム用のスクリプトがあると思いますが、基本的なことが記載されていることが多く、細かい部分についての記載はされていないケースが多いようです。
そこでオススメなのが、スクリプトに、プログラム内でのセリフや注意点について自分で書き込み、“オリジナルのスクリプト”を作ること。
例えば、「1曲目のこのターンのところで“俺について来い!”と言う」など、できるだけ細かく書き込むことがポイントです。
舞台やお笑いコントの台本のように、きっちりとセリフを決め込んでしまう位の気持ちで作成すると、より具体性のあるスクリプトになるでしょう。
ここで、スクリプト内に書き込む内容について実例をご紹介します。
1)テクニックに関するインストラクション
同じ動きを指示する際も、セット毎に表現を変えると会員さんを飽きさせること無くレッスンを進めることが出来ます。
・脚をしっかりと伸ばして
・脚先まで一直線に
・脚を長く見せるように
上記のように少しの工夫をすることで、レッスンの演出は無限に広がります。
2)盛り上げに関するインストラクション
・強度を促す、煽る。「もっと強く!」「もっと早く!」「GO!GO!GO!」など。
・励ます。「辛いのはみんな一緒!頑張って!」「あと少し!」
・褒める。「すごく上手い!」「さっきよりイイ!」
上記のように大きく分けると2種類に分類されます。
テクニックに関するインストラクションは、会員さんの安全の確保、レッスン効果を発揮させる為には不可欠なインストラクションです。丁寧にスクリプトを作成しましょう。
盛り上げに関するインストラクションは、会員さんに楽しさ、継続性を促すのに重要です。
盛り上げにも、“強度を促す”、“励ます”、“褒める”などいくつかの種類に分類することが出来るので、バランスよくスクリプトに記載すると良いでしょう。
<盛りあげるためのコツ②>
“セリフ以外の演出を工夫する!”
会員さんを盛り上げるのは何もセリフだけではありません。
レッスン中の身体の動きの中に抑揚をつけたりすることで、会員さんを引っ張っていくことができます。
例えば、1セット目と2セット目、もしくは2セット目と3セット目などで身体の動きに差をつけたり、1セット目と2セット目は言葉を中心としたインストラクションをし、、3セット目はあえて言葉を少なく、トレーナーの身体の動きを会員さんに見てもらい、ビジュアルで伝える事で、会員さんに「あ、こういう動きをすればいいのね!」と理解してもらう事ができます。このように聴覚、視覚で感じてもらう事で、会員さんのレッスンの理解度は急速に高まりますし、飽きずに継続する事が出来ます。
トレーナーだけがレッスンを楽しんでいるようでは、会員さんを盛り上げる事は出来ません。的確なテクニック指導が出来なければ、会員さんは怪我をしてしまう可能性もありますし、うまく動けない事が、会員さんにはストレスとなるでしょう。
テクニックの指導だけを機械的に伝えているだけでは、会員さんにとってトレーナーは“あなた”でなくてもよいと思ってしまうかもしれません。トレーナーは、会員さんに“安全”、“効果”を担保したうえで、上手に盛り上げられると良いですね!
【この記事のまとめ】
●スタジオレッスンは、トレーナー個々が“スクリプト”を作ると良い!
●インストラクションは“テクニックに関するインストラクション”と“盛り上げに関するインストラクション”の2つに分類される。
●トレーナーは会員さんに“安全”、“効果”を担保したうえで、上手に盛り上げること!
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2016年9月24日