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スカッシュ元日本代表選手にインタビュー!フロントランナーズ~VOL.16

フィットネストレーナーを始め、スポーツやエンタテイメントなど、様々な業界の第一線で活躍している「からだプロ」へ突撃インタビュー。

第16回目は、スカッシュ元日本代表の土屋雄二さん。
今回は、土屋さんに、スカッシュを始めたきっかけや普段のトレーニング、自身の課題について話を伺いました。
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土屋 雄二(つちや ゆうじ)
■経歴
1998年~2001年 全日本ジュニアチャンピオン 優勝 4連覇
2001年 アジアジュニア 日本代表選出
2001年 香港ジュニアオープン 準優勝
2002年 西オーストラリア ジュニアオープン 優勝
2003年~ スカッシュコーチ
2005年 全日本アンダー23スカッシュ選手権 優勝
日本ランキング3位
2010年千葉国体優勝

■取材班/吉田勇気 プロフィール
Web
・18歳でプロボクサーの経験を持ちながら、社会人サッカーチームを立ち上げ、天王杯千葉県大会ベスト8まで進出。
・その後、フィットネスクラブで集団指導、個別指導を経験。
・プロアスリート、日本代表アスリートの指導実績を持ち、現在もボランティアで指導を継続中。

■吉田:
土屋さん、お久しぶりですね!本日は宜しくお願いします^^
■土屋:
ごぶさたしております^^こちらこそよろしくお願いします!

第一章 ~スカッシュを始めたきっかけ~

■吉田:
まず始めに、スカッシュを始めたきっかけをお聞かせください。
■土屋:
父が趣味でスカッシュをしていて、一緒にやり始めたのがきっかけです。
中学1年から始めましたが、最初は遊び感覚でしたね。
当時通っていたフィットネスクラブが中学生から会員になることが出来たので、同じフィットネスクラブに通っている大人の方とスカッシュをして遊んでいました(笑)
週に4~5日通っていて、スカッシュを始めてから4か月位で、13歳以下の試合に出たら優勝してしまいました(笑)
■吉田:
すごいですね!初めての大会で優勝ですか・・。これを“才能”というのでしょうか^^;
プロになろうと意識されたのはいつ頃ですか?
■土屋:
覚えてないですね…気が付いたら、いつの間にかプロになっていたという感じです^^
プロデビューしたのは19歳で、プロになる年齢としては若い方だったと思いますね。

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第二章 ~スカッシュのトレーニング方法とは~

■吉田:
若くしてプロになられたんですね!
特に意識したり、集中的に行っていたトレーニング方法はありますか?
■土屋:
実は、あまりトレーニングはしませんでした^^;
優勝したら賞金1,000万円とかだったら、やっていたかもしれませんけど(笑)

筋肉を鍛えるというよりは、戦術面で相手を攻略していましたね。
相手が嫌がるコースにどうやったら打ち込めるかを試合中、常に考えていました。
ただ、それは試合中の話で、トレーニングに励んだ記憶がほとんどないんです^^;

■吉田:
それで日本代表に選ばれるとは…やはり、すごいですね!
とはいっても、日本代表合宿などでトレーナーから指導を受けたりすることはないのですか?
■土屋:
ありましたが、日本代表合宿の場合は、個別性のあるトレーニングではなく、合宿参加者全員に対しての基礎体力向上のトレーニングが中心でした。
ですので、ランニングをしたり、施設にある筋トレマシンを使ったトレーニングを行っていましたね。
練習熱心な方には大変申し訳ないのですけど、本当に練習していなかったんです…。

■吉田:
なるほど。
「からだプロ」の読者はフィットネス関係者が多いので、読者の方に参考になるようなラケット種目ならではのトレーニングがあると助かるのですが…(笑)
土屋選手はスカッシュ選手のコーチもされていたようですが、指導をする立場として、選手に課していたトレーニング方法はありますか?
■土屋:
それならありますよ!
コーチをしていた時だけは(?)、えらそうに色々と指導させてもらいました(笑)。

黙々と筋力トレーニングを行うような方法ではなく、実践型の練習を中心に指導していました。
例えば、“格下の選手と10回練習試合をし、10回必ず勝利しなさい”というミッションを与えるトレーニングとか。
プレッシャーをかけたうえで、結果を出させる練習、つまり“メンタル面の強化”を目的として行っていました。
他には、同じ場所(壁面)に、ひたすらボールを打ち込み続けさせて、体力を失ってもボールコントロールができるような練習をしていました。

■吉田:
実力差があるとはいえ、同じ選手に10回勝利し続けるのもなかなか難しいことですよね。そのような練習は、選手の能力向上に役立ちましたか?
■土屋:
試合中の精神的なムラが少なくなりましたね。
“あと一歩で勝利”という局面で失点を重ねてしまう選手も多いのですが、この練習を行うことによって、逆転をされてしまうようなことはだいぶ少なくなりました^^
勝てる相手にしっかりと勝利を収められる安定感が得られるようになりましたね。

■吉田:
練習の効果が出て良かったですね!
ボールコントロールの能力については向上しましたか?
■土屋:
顕著に向上出来たとは言い切れませんが、スタミナはつきましたね。
スタミナ不足でラケットの振りが浅くなるようなことは少なくなりました。
同じ場所にボールを打ち続ける練習はボールコントロールを目的に始めたのですが、体力がついたなら結果オーライかなと考えていますけどね^^
■吉田:
当初の目的とは、異なった効果が出たのですね^^
試合でのトレーニングの成果を見極めるのは、ロングスパンで効果測定する必要がありそうですね。
実技の反復練習は、デリケートな面もあるので注意が必要だと思います。
土屋選手のご指導なら問題ないと思いますが、幼少期に誤ったフォームで繰り返し練習をしていると修正するのに膨大な時間がかかります。
“正しく努力する”ことが必要ですよね。

身体能力向上を目的とした練習や指導などはどういったことをされていましたか?

■土屋:
フットワークの練習の意図で、反復横跳びをやっていました。
スカッシュで求められるのは大股での俊敏性です。ラダーをやっている人も多くいますが、ラダーは小股で行うケースが多いので、実践的ではないのかなと個人的には思っています。あとは、後ろ走りの練習です。スカッシュで勝敗を左右するのは“Tポジションの取り合い”です。
簡単に言うと、コート床の真ん中のラインを始点とした動きが中心となります。その場合、前進の動きだけでなく、後進の動きもあるんですよ。

全体的に見て、パワーよりもスピードを重視したトレーニングを勧めていましたね。
ボールに対して、脚の踏込さえ早ければ、自分の狙った通りの場所に打ち込めますからね!

■吉田:
なるほど。
パワーは「筋力×速度」と定義されますので、スピード重視のパワー向上トレーニングということですかね。
プロスカッシュ選手は身体が細い印象を受けますので、敏捷性や平衡性が問われるのかもしれませんね。
■土屋:
あっ!平衡性ってバランスのことですよね?
スカッシュにおいてバランスはとても大切です!
僕は相手に対して意地の悪いボールを打つので、相手の態勢が崩れるのを目の当たりにします。自分はあまりバランス崩すことはないですが(笑)、相手の態勢が崩れることにより、打ち返してくるボールが弱く、甘いコースになりやすいです。
思い返してみると、態勢が崩れない選手は強かったですね…

■吉田:
選手としての話に戻りますが、土屋さんご自身の課題はどのような点ですか?
■土屋:
心肺機能と筋持久力ですね。
なんせトレーニングしていませんでしたから^^;
試合時間は大体60分位ですが、試合の後半は集中力が持たなくなってくるんですよ。体力があれば、集中力も維持できたかもしれないですね。

■吉田:
なるほど。
土屋さんがコーチをされている中で、ジュニアアスリートの課題点があれば教えてください。
■土屋:
一番が“メンタル”ですね。
試合中、ちょっとしたことで気持ちが崩れてしまいます。審判や対戦相手に対して怒ったりした時に自分を見失ってしまう場面がけっこうあるんですよね…
ですので、先程のお話ししたメンタル強化トレーニングを行うようにしています。

第三章 ~今後の展望や目標~

■吉田:
土屋さんご自身の今後の展望を教えていただけますか?
■土屋:
私個人としては、選手、コーチ共に引退しましたが、スカッシュを行える場所がもっと増えて、いつの日にかオリンピック種目に選ばれることを祈っています!
■吉田:
これから東京オリンピック開催に向けて、スポーツ界全体が盛り上がっていきますからね!

スカッシュを盛り上げていくために、ご自身が今取り組んでいる活動などはありますか?
■土屋:
今夏にアマチュアスカッシュ団体を発足しました!
チームの活躍を支援すると共に、スカッシュの楽しさを多くの方に知っていただきたいと思っています!

■吉田:
すごいですね!
私も応援しています!
今日はお忙しい中、ありがとうございました!

<この記事のまとめ>

●“格下の選手と10回練習試合をし、10回必ず勝利しなさい”というミッションを与えるトレーニングを行うことで、メンタル面を強化!
●スカッシュの試合では“集中力”が大切。スタミナをつけることで集中力を維持する事が出来る!
●“「バランス」=「平衡性」”を強化することで、試合中でも態勢が崩れず、安定したプレーを行うことができる!

2016年11月8日